電気を消して、眠りかけたころに、天井をトタトタと走る音がしました。最初は一匹、そのうち二匹が追いかけているようにも聞こえて、そのまま朝まで眠れませんでした。次の夜も、その次の夜も。数日たつと、昼間も集中できなくなり、決めることが億劫になっていました。私がいちばん先に直さないといけなかったのは、対策ではなく、眠れていないことのほうだったのだと思います。
眠れない夜が続くと、物事を決めるのが苦しくなります。私も、夜に音を聞きながら「明日こそ何か手を打とう」と毎晩決めて、朝には疲れて忘れている、を繰り返していました。調べたページをあとで開き直すこともなく、買い物かごに入れたまま注文もしない。この状態では、何を選んでも同じだったと思います。
だから私は、いったん「音を止めること」から離れて、「今夜眠ること」だけを目標にしました。音は、眠れないことの原因の一つにすぎません。まず、その原因を外すことを最優先にしました。
私が実際に変えたのは、次のようなことです。
これらは対策ではなく、状態を悪くしないための工夫です。音そのものは消えません。ただ、眠れるようになると、翌日に確かめる気力が戻りました。私は、動く順番を「眠る→記録する→相談する」に組み替えただけで、ようやく動き出せるようになりました。
眠れるようになってから、音の記録をつけました。難しくはなく、次の三つを一言で書くだけです。
天井裏や壁の中から、夜に小さく速い音が続く場合は、ネズミの気配を疑うことがあります。ただし配管の音や建材のきしみ、外の物音も似て聞こえるので、音だけで決められません。私にとってこの記録の目的は、正体を決めることではなく、「どのあたりで、どの時間に起きているか」を自分の言葉にできるようにすることでした。
眠れていないときに、家中を這い回って確認するのは現実的ではありません。私が昼間にやったのは、台所や食品の置き場所、ゴミの扱いを見直すこと、フンらしきものやかじった跡がないかを普段の掃除のついでに見ること、屋外で基礎や壁のすき間を見ること、この範囲までです。
天井を開ける、床下に入るといった作業は自分ではしませんでした。元に戻せなくなったときの負担が大きく、何がいるのかを決めないまま手を入れることは避けると決めていました。ここから先は、建物の構造を知っている専門の事業者の領域だと考えました。
※薬剤や罠の選び方、使い方についてはこの記事では触れません。健康や安全に関わる判断は、お住まいの自治体の相談窓口や専門の事業者に、体調に不安があるときは医療機関に確認してください。
相談や見積りを考えるときに用意したのは、次の記録です。
最後の項目がいちばん役に立ちました。「ここから先は分からない」と伝えられると、見てもらう範囲の話が具体的になります。眠れない夜はすぐには終わりませんでしたが、記録を持って相談した日から、それは「分からないまま耐える夜」ではなくなりました。
眠れない夜を一人で数え続けるのは、思っている以上に消耗します。記録を持って相談するだけでも、次の一手は決まります。
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