布団に入って明かりを消したあと、天井や壁の奥から「カリカリ」「トタトタ」と音がする。その音を最初に聞いた夜、私は眠れないまま朝を迎えました。起きて確かめようにも、何を確かめればいいのか分からない。あとから思うと、つらかったのは音そのものより、正体が分からないまま夜をやり過ごすことだったのだと思います。
夜中に音がすると、頭の中では想像だけが先に進みます。天井が傷んでいたらどうしよう、食べ物を荒らされていたらどうしよう、このまま毎晩続いたらどうしよう。どれも事実ではなく、想像です。
止まらなかったのは、判断の材料を持っていなかったからでした。音がする場所も、鳴る時間も、続いている日数も、私は何も覚えていませんでした。「なんとなく毎晩鳴っている」という記憶だけでは、誰かに話しても要領を得ません。そこで、分からないままでいいから、聞こえたことを書き残すことにしました。
書き出してみると、音の情報は思ったより整理できました。私が使った分け方は三つです。
たとえば天井裏や壁の中から、夜に小さなかじる音や走る音が断続的に続く場合は、ネズミの気配を疑うことがあります。ただし配管の音、外の物音、木材のきしみも同じように聞こえるため、音だけで決められないというのが実際のところでした。
天井裏や壁の中は普段見られません。床下も同じです。私が自分でできると判断したのは、次の範囲まででした。
一方、天井を開ける、床下に潜るといった作業は自分ではやりませんでした。元に戻せなくなったときの負担が大きく、何がいるのかを確かめないまま手を入れることになるからです。ここから先は、建物の構造を知っている専門の事業者の領域だと考えました。
※薬剤や罠の選び方、使い方についてはこの記事では触れません。健康や安全に関わる判断は、お住まいの自治体の相談窓口や専門の事業者に、体調に不安があるときは医療機関に確認してください。
私が実際にやった順番です。
メモはうまく書こうとしなくて大丈夫です。私の記録は走り書きで、あとから読むと意味不明な部分もありました。それでも「毎晩23時から2時ごろ、天井の同じあたりで鳴る」という事実は残っていて、話をするときに役立ちました。
相談先を探すときに私が気にしたのは、費用の安さより、こちらの説明を最後まで聞いてくれるかどうかでした。自治体の相談窓口、消費生活の相談窓口、専門の事業者など、頼れる先はいくつかあります。いずれも、まず状況を伝えるところから始まります。
どのあたりが怪しいのか、いつからそうなのかを自分の言葉にできるだけで、相談の進み方は変わります。眠れない夜はすぐには終わりませんでしたが、記録を持って相談した日から、それは「分からないまま耐える夜」ではなくなりました。
ひとりで確かめ続けるのがしんどくなったら、状況を話して見てもらうだけでも違います。記録を持っていると、話が早く進みます。
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