床下の点検口のそばで、羽のついた茶色い虫を見つけた日のことです。「シロアリが出たら終わり」という言葉が頭から離れず、頭の中では家が傾いていく映像ばかり浮かんでいました。ただ、そのときはもう夜で、動けることは何もない。だからまず、翌日までに何をするかだけを決めることにしました。
あとで思ったのですが、あの言葉の何が怖いかというと、「もう選択肢がない」と思い込ませるところでした。選択肢がないと決めつけると、人は調べることすらやめてしまいます。私もその晩は、検索しては怖くなって閉じる、を繰り返していました。
実際には、見つけた場所、時期、虫の姿で、次にやることは変わります。「終わりかどうか」をその日に決める必要はありませんでした。まず、目の前の虫が何なのかを確かめる。それが最初の一歩でした。
見つけたときに記録したのは次の3つです。
水に濡れた木や、押し入れの奥、床下の通気口の近くなど、湿りやすい場所で見つかることが多い、という説明も読みました。これらは目安であって、私が見ただけで種類を断定できたわけではありません。断定は専門の事業者に任せると決めていました。
自分でできるのは、見つけた虫を写真に撮る(複数の角度から、できるだけ近く)、見つけた場所と日時をメモする、周辺の木材に変色やふわふわした部分、土の付いた細い通り道がないかを見る、このあたりまでです。
床下に自分で潜る、木部を削って確かめる、自分で薬剤を撒く、ということはしませんでした。住宅の構造や薬剤の扱いは、自分で判断するとかえって状況が分かりにくくなると考えたからです。家がどうなるか心配になるのは当然ですが、その判断は専門の事業者の調査に委ねるほうが確かです。不安のままに木材を傷つけたりせず、記録をそろえて相談する、という順番にしました。
※家屋への影響は、状況によって大きく異なります。ここに書いたのは私の行動の記録で、被害の程度を判断するものではありません。住宅については、自治体の住宅相談窓口など公的な相談先も使えます。
2番目が自分にはいちばん効きました。夜に見つけると、そのまま決めてしまいがちです。一晩置くと、聞くべきことも具体的になります。「これは何か」「どの範囲か」「すぐ工事が必要なのか」を、翌日以降に落ち着いて聞けました。
相談先は、電話やメールで、見つけた場所と写真を伝えられるかを基準に選びました。調査と工事で対応が変わる場合は、その違いを説明してくれるかも確認しました。複数に当たると、同じ写真でも説明の厚みに差があると感じました。
費用は、調査だけなのか、工事まで含むのか、その後にどこまで対応してもらえるのかで意味が変わります。金額だけで比べると判断を誤るところでした。
「終わり」かどうかを、見つけた日に決める必要はありません。写真とメモをそろえて、まず見てもらう。そのうえで作業の範囲と費用の条件を確かめると、判断が落ち着いてできます。
害獣・害虫の駆除を無料で相談する相談・見積りは無料 / 費用・条件は各社の案内によります調査や見積りの対応範囲、連絡の方法、日程の調整のしかたは各社の案内によって異なります。申し込む前に条件を確認しておくと安心です。
「出たら終わり」かどうかは、見つけたその日には分かりません。分からないことを、分からないまま抱え込まない。記録して、聞いて、比べる。それだけで、あの晩の絶望とは別の場所に立てます。